ゴム風船のこと

ゴム風船についてをお話します。

「ゴム風船は環境にやさしいってどういうことなの?」
 など、ゴム風船に関する知識を記載しています。
『正しい知識』で安全に楽しく風船をご使用ください。

環境にやさしいゴム風船

ゴム風船は天然ゴム100%<ラテックス>で作られています。
ラテックスは光・空気・水分によって分解されます。
分解作用は空気に触れたとたんにはじまります。
酸化による変色が分解過程の最初の兆候です。
太陽光線にさらされると分解がはじまりますが、自然界の微生物は暗闇の中でも天然ゴムを分解します。
土から生まれて土にかえるゴム風船は、プラスチック、金属、ガラス製品などに比べ、人間が生み出した製品の中でも実に稀な自然環境にやさしい製品なのです。

原料はゴムの木の樹液です

ゴム風船はゴムの木から採取する乳状の樹液で作られています。
ゴムの木はもともと南アフリカの熱帯雨林が原産で現在では東南アジアを中心に熱帯地域の多くの国々で育成されています。
ゴムの木の樹皮に切り口をつけ、そこからにじみ出てくる樹液をカップに集め精製し、液体の状態に保ったものが「ラテックス」です。

空に飛んでいったゴム風船は粉々に破裂し、その後、自然分解します

空に飛ばしたラテックス製ゴム風船のほとんどは、上空約3000m〜8000mまで上昇していきます。風船は高空で凍結し、スパゲティ状になって粉々に分裂して、拡散しながら地上に落ちてくるということがわかっています。

ラテックスは天然素材ですので、酸素と太陽光線にさらされると酸化が始まり、時間の経過とともに分解されていきます。また地面に落ちたラテックス製の風船は、落ち葉と同様に生分解されていきます(微生物が分解して土に還していきます)。

ゴム風船の生分解試験について

日本バルーン協会では、下記の通り、第三者機関にバルーンリリースに使用する一般的なゴム風船(天然ラテックス由来)の自然分解に関する実験を委託し、その検証を行いました。

A. バルーン破裂実証実験  日本大学理工学部物理学科 高橋良紀 教授

B. 制御された好気的コンポスト条件下における生分解試験 (培養期間:510日間)  一般財団法人化学物質評価研究機構

下記内容が、第三者機関による試験結果となります。

  1. ヘリウムガスを入れたゴム風船(天然ラテックス由来)は上空3000m〜8000mまで上昇し、破裂して粉々になり、地上・海上に落下します。(バルーン破裂実証実験 結果)
  2. 生分解試験の結果、試験開始から510日間で68%生分解しています。日本バイオプラスチック協会が定める生分解性の定義により生分解することが検証されました。PVAバリア剤は100%近く生分解しています。*日本バイオプラスチック協会(JBPA)が定める生分解性の定義では60%以上分解すれば、生分解するとされています。尚、今回、一部の装飾用に使用されているラテックスバルーンも生分解試験を行いました。その結果、同じ天然ゴム製ですが、分子構造を変えた原料を使用しているため生分解はしませんでした。当協会の見解として、この種類のラテックスバルーンを使用した、バルーンリリースはお控えください。

バルーンリリース(風船飛ばし)ガイドライン

  1. リリースにはヘリウムガスを使用すること。水素ガスは禁止。
  2. リリースされる風船は、ラテックスを原料とする「ゴム風船」であること。
    フィルムバルーンや自然環境で生分解しないものは使用しないこと。
  3. 使用するゴム風船の留め具に、プラスチックなどの生分解しないものは使用せず風船自体でしばること。
  4. 糸など持ち手をつける場合、ゴム風船と同等の生分解性を持つものを使用すること。
    木綿糸や紙ひも、輪ゴムなどを推奨。
  5. ゴム風船はすべて単体とし束ねてリリースしないこと。
  6. 雨天、強風の場合はリリースしないこと。
  7. リリースする場合は電線や架線に充分注意すること。

ゴム風船に関するQ&A

浮かぶ風船はどうやって作るの?

浮かぶ風船を作る場合は、風船の中にヘリウムガスを入れてください。

ヘリウムガスは空気よりも軽い気体です。決してヘリウム以外のガスは使用しないでください。

小さなゴム風船がなぜあんなに大きくふくらむの?

ゴム風船の原料である天然ゴム(ラテックス)の最大の特徴は伸縮性です。

ゴム風船はその伸びる性質を上手く利用した、いわばゴムの袋。

伸びる袋にどんどん空気やヘリウムガスを送り込むから、大きく膨らむのです。

ふくらんだゴム風船はなぜしぼむの?

膨らんだゴム風船の中には高い圧力の空気やガスが入っていますが、気体は圧力の高い方から低い方へと流れ出します。

膨らんだゴムの伸びて薄くなったすき間(分子レベル)から圧力の高い空気やヘリウムガスが自然に外側へ漏れていくのです。

なぜゴム風船は丸くふくらむの?

息やポンプで空気を入れ続けると、風船の中の圧力が高まってゴムが伸び、最も自然で美しい形、すなわち球形になるのです。

四角や星型など変わった形のゴム風船は作れるの?

膨らむ前の形としては、どんな形でも作れます。

しかし、ゴム風船は丸くふくらむ性質が強いため、四角や星型の風船も丸く膨らんでしまいます。

ゴム風船を長く置いておくとどうなるの?

輪ゴムを長く放置しておくと切れやすくなるのと同じように、ゴム風船も天然ゴムを原料としているので、

空気や紫外線に触れると、時間の経過とともに酸化し、分解していきます。また、バクテリア、細菌類による生分解も行われます。

ゴム風船についている白い粉はな〜に?

ゴム風船の品質保持のために添加されたものですが、無機質のものがほとんどです。

ベビーパウダーなどに使用されているものと同じで、特に有害な物ではありません。

ゴム風船でない風船って?

お祭りやイベント会場でキャラクター等の風船を見かける事があると思います。

ゴム風船と違い、一般にフィルムバルーンと呼ばれているもので様々な形をしていたり印刷されたものがあります。

素材はポリエチレンフィルム、ナイロンフィルムなどですが、ガスバリア性を高めるために表面にアルミニウムを特殊な処理で貼り合わせています。

最近ではアルミニウムを貼り合わせていないものもあります。いずれも、生分解しないので決して飛ばしたりしないでください。

アルミニウムは電気を通すので電線や架線の付近では特に注意してください。